健康診断とは

自覚症状がなく、放置が続くと生命にも影響しかねない病気を早期に発見して治療につなげるなど、病気の重篤化の可能性をできるだけ防ぐことを目的として行うのが健康診断です。また健診の結果をみることで、現在の健康状態を把握し、管理・増進に努めるといった活用方法もできます。
なお健康診断に関しては、種類がいくつかに分けられます。例えば、あらかじめ法律に基づいて行われる健診もあれば、人間ドックのように任意で行う健康診断もあります。当院では、以下の健康診断を行っていきます。

企業健診

事業者は、労働安全衛生法に基づき、労働者に対して医師による健康診断を実施し、労働者は健康診断を受けなければならないとあります。この健康診断のことを一般的には、企業健診あるいは職場健診と呼びます。種類としては、一般健康診断、特殊健康診断、じん肺健診、歯科医師による健診があります。
当院では、一般健康診断の中の雇入時の健康診断と定期健康診断を行っています。それぞれの検査項目は以下の通りです。

雇入時の健康診断(雇入時健診)

事業者は常時使用する労働者を雇い入れる際は、その労働者に対して、下記の項目(★)について、医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第43条)。

定期健康診断(定期健診)

事業者は年に1回(深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回)以上、定期的に下記項目(★)の健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第44条)。

雇入時の健康診断(雇入時健診)、定期健康診断(定期健診)
★健診項目
  • 既往歴、業務歴の調査
  • 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
  • 胸部X線検査(喀痰検査)
  • 血圧の測定
  • 貧血検査(血色素量、赤血球数)
  • 肝機能検査(ALT、AST、γ-GT)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
  • 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
  • 心電図検査
  • 定期健康診断では、身長・腹囲、胸部X線、喀痰、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、心電図の各検査については、医師が必要でないと認めた場合には、省略することができます。

受験・入学時などの健康診断・診断書作成

受験や入学の際には、学校や機関が応募者の健康状態を確認するために健康診断や診断書が必要な場合があります。

1. 健康診断のプロセス

健康診断の予約
学校や受験機関から指示があれば、指定の医療機関で健康診断を受ける日時を予約します。
基本的な健康診断
通常、一般的な健康状態を確認するための身体検査や基本的な検査が行われます。
これには身長・体重の測定、視力検査、血圧測定などが含まれます。
血液検査
必要に応じて、血液検査が行われることがあります。これには血液型の確認や特定の疾患のスクリーニングが含まれることがあります。
特定の検査
特定の受験や入学に必要な要件がある場合、それに応じた検査が行われることがあります。たとえば、結核検査やワクチン接種の状況確認などです。

2. 診断書の作成

  • 医師の診察:健康診断後、医師が詳細な診察を行い、必要に応じて患者の健康状態に関する情報を記録 します。
  • 診断書の作成:医師が学校や機関が必要とする情報を含む診断書を作成します。これには一般的な健康 状態や、特に注意が必要な医学的な条件が含まれます。
  • 署名と印鑑:診断書には医師の署名と印鑑が必要です。これによって診断書が正規の医師によって発行 されたものであることが確認されます。

3. 提出と保管

  • 提出先への提出:健康診断書は通常、学校や入学機関へ提出されます。提出方法や期限については、該当する機関の指示に従う必要があります。
  • 個人の保管:提出後も患者は自分自身で診断書のコピーを保管しておくと良いでしょう。将来的に必要になる可能性があります。

以上が、一般的な受験や入学時の健康診断および診断書のプロセスです。提出が必要な文書や期限に関し ては、それぞれの学校や機関の要項を確認し、指示に従うようにしてください。

立川市特定健診

当院では40歳以上の立川市国民健康保険被保険者の方に「特定健康診査」を、年度に1回、無料(大腸がん検診ご希望の場合は300円必要)で実施しています。
当日は「立川市国民健康保険被保険者証(立川市国保の保険証)」と「受診券」をお持ちください。予約は必要ございません。

特定健康診査(40~74歳)・後期高齢者医療健康診査(75歳以上)

「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づいて行われる健康診断を特定健康診査と言います。
同健診の内容は、主にメタボリックシンドローム(通称:メタボ)の判定を中心とした検査項目になっています。内容としては、問診・診察、身体計測(身長、体重、腹囲、BMI値)、血圧測定、血液検査(脂質、肝機能、血糖)、尿検査が行われます。また医師が必要と判断すれば、胸部X線、眼底検査、心電図も追加されます。

一般健康診断 料金表

氏名、生年月日、住所、身長、体重、腹囲、BMI、視力、血圧測定、診断料は文書料に含まれます。 文書料として一通につき4,400円がかかります。
追加項目は下記の費用が必要になります。

項目料金(税込み)
聴力検査400円
尿検査360円
心電図1,300円
胸部X線検査2,100円
貧血赤血球(×104)4,680円
血色素量(g/㎗)
肝機能AST(IU/ℓ)
(GOT)
ALT(IU/ℓ)
(GPT)
γ-GT(IU/ℓ)
(γ-GTP)
脂質HDL-cho(mg/㎗)
LDL-cho(mg/㎗)
中性脂肪(mg/㎗)
総コレステロール(mg/㎗)
糖代謝血糖(mg/㎗)
HbA1C(%)
その他HBs抗原3,300円
HBs抗体3,300円
HBs抗原・HBs抗体5,500円
色覚検査480円
便検査(細菌培養検査3菌種)3,300円